高周波電源
高周波電源
高周波誘導加熱を用いた高周波電源は日新技研にとって基礎技術であり、
新素材・結晶といった各事業も、この技術をベースに成り立っています。
日新技研の高周波電源は主に研究分野において小型化が追及され、
世界最小サイズを記録した実績もあります。
独自の設計製作により、各種装置に最適な電源を提供いたします。
電源容量としては、5~300kWまで対応可能です。
高周波誘導加熱とは
高周波電源を使った加熱は、高周波誘導加熱という技術が使われています。
高周波誘導加熱とはバーナーなどの高温の熱源を使用せず、コイルに電流を流すと発生する磁界の作用で、加熱対象物にエネルギーを集中させ、熱を発生させる加熱方法です。
抵抗加熱などの高温の熱源を用いる加熱方法では炉内の温度を高めてから対象物を加熱するため、耐火材などの加熱で余分なエネルギーを必要とします。
一方、高周波誘導加熱は、エネルギー伝達過程での損失を最小限に抑えられるので、余分なエネルギー損失が少なく、高い熱効率により短時間で高温まで加熱することができます。
つまり省エネルギーによりランニングコストの削減が期待できます。
また、雰囲気中の加熱が出来る、ガス等の燃焼を伴わないので作業環境の改善につながるなど様々なメリットがあります。
身近な例としては高周波誘導加熱はIHクッキングヒーター、抵抗加熱はトースターがあります。
IHはフライパンを磁界の作用で発熱させ効率よく加熱する事が出来ますが、トースターはヒーターにより密閉した空間を全て加熱する必要があります。
高周波誘導加熱の仕組み
高周波電流を流すと、強い磁場が発生し、非常に密度の高い電流(うず電流)が誘導されます。
そして電流が流れるときの電熱抵抗によりジュール熱が発生し、加熱対象物が急速に加熱されます。
①電源からコイルに電流が流れ、磁界が発生する
②加熱対象物内に磁界とは逆方向に電流が流れる(うず電流)
③うず電流と電熱抵抗によりジュール熱が発生
④加熱対象物が表面から急速に加熱される
高周波誘導加熱の特長
- 急速昇温が可能で、高周波電流を大きくして磁場を強くすることで他の方法では不可能とされる時間や温度を制御した加熱が可能です。
- 加熱対象物自体を発熱させる為、高効率な加熱が可能です。省エネルギーでコスト削減に寄与します。
- 発熱が最小限で、ガス等の燃焼を伴わないため、工場の環境改善にも使われています。
- 高周波誘導加熱を利用する事で、強い磁場を発生させ浮遊溶解(レビテーション)等を行うことが可能です。
電源更新
老朽化した電源、交換部品がなくなった電源など、既設装置の電源だけの更新も日新技研にお任せください!
他社製高周波誘導加熱装置への電源更新の実績も多数ございます。
たしかな技術と経験で最適な高周波電源をご提供いたします。
高周波電源(SiCインバータ搭載) NET-Sシリーズ
高周波電源のインバータ部をIGBT モジュールから SiC モジュールに置き換えた新しいタイプの高周波電源です。
従来のコンパクト設計を受け継ぎながら、更に高効率を達成しました。
日新技研はSiC 電源の普及による社会全体の省エネ化に貢献して参ります。
特長
- 高効率 99%達成
- SiC モジュールの安定的な制御を実現
当社従来電源比で、すべてのラインナップで平均 10%以上の変換効率UPと MAX99%の変換効率を達成しました。
(5kW 電源にて MAX99%、10~15kW 電源にて MAX97%を達成)
- SiC モジュールの安定的な制御を実現
- 完全空冷化(水冷レス)
- SiC の特性を活かし、15kW でも完全空冷化の運用を実現。
試験レベルで 20kW 超の安定的な連続運転を確認。
経年劣化等による水漏れリスクがなくなります。
(高周波電源には別途水冷のマッチングボックスが付属します)
- SiC の特性を活かし、15kW でも完全空冷化の運用を実現。
- 筐体サイズ共通化
- 5~15kW まで筐体サイズ共通化を実現。
導入後の高周波出力 UP にも柔軟に対応致します。
- 5~15kW まで筐体サイズ共通化を実現。
仕様
型式 | 公称出力 | 周波数 | 電源 |
---|---|---|---|
NET-5S | 5kW | 5~400kHz | 3φ200V 6kVA |
NET-10S | 10kW | 5~400kHz | 3φ200V 12kVA |
NET-15S | 15kW | 5~400kHz | 3φ200V 18kVA |
NET-20S | 20kW | 100~150kHz | 3φ200V 24kVA |
NET-30S | 30kW | 100~150kHz | 3φ200V 36kVA |
NET-40S | 40kW | 100~150kHz | 3φ200V 48kVA |
NET-50S | 50kW | 100~150kHz | 3φ200V 60kVA |
NET-60S | 60kW | 100~150kHz | 3φ200V 72kVA |
NET-70S | 70kW | 100~150kHz | 3φ200V 84kVA |
NET-80S | 80kW | 100~150kHz | 3φ200V 96kVA |
NET-100S | 100kW | 100~150kHz | 3φ200V 120kVA |
NET-120S | 120kW | 100~150kHz | 3φ200V 144kVA |
NET-140S | 140kW | 100~150kHz | 3φ200V 168kVA |
高周波電源(IGBTインバータ搭載)
NET-Iシリーズ
高周波誘導加熱用、高周波電源は日新技研にとって基礎技術であり、新素材、結晶といった各事業も、この技術がベースに成り立っています。当社の高周波電源は主に研究分野において小型化が追及され、高周波電源200kWタイプは世界最小サイズを記録した実績もあります。
日新技研では、独自の設計製作により、各種装置に最適な電源を供給します。
また、他社製の高周波電源の入替えにも対応しております。
特長
- コンパクト・軽量
- 高周波電源本体は非常にコンパクト・軽量です。
たとえば 出力50kW電源の場合、机より小さく2人で乗用車に積み込めます。
- 高周波電源本体は非常にコンパクト・軽量です。
- 高効率
- マッチングボックスを加熱部の間近に設置し、負荷に応じた高効率の運転ができます。
高周波電源とマッチングボックスを別置きにすることでフレキシブな設置が可能です。
- マッチングボックスを加熱部の間近に設置し、負荷に応じた高効率の運転ができます。
- 保護回路
- 高周波電源素子の保護は逆変換側(負荷側)で行うため、放電や異常時に高速で確実に保護することができます。
また 各部に温度センサを設け、ケース内温度も管理しています。
- 高周波電源素子の保護は逆変換側(負荷側)で行うため、放電や異常時に高速で確実に保護することができます。
仕様
型式 | 公称出力 | 周波数 | 電源 | 冷却水 |
---|---|---|---|---|
NET-05I | 5kW | 50~100kHz | 3Φ200V 6kVA | 0.2MPa 5ℓ/min |
NET-10I | 10kW | 50~100kHz | 3Φ200V 12kVA | 0.2MPa 10ℓ/min |
NET-15I | 15kW | 50~100kHz | 3Φ200V 18kVA | 0.2MPa 10ℓ/min |
NET-20I | 20kW | 1~100kHz | 3Φ200V 24kVA | 0.2MPa 15ℓ/min |
NET-30I | 30kW | 1~100kHz | 3Φ200V 36kVA | 0.2MPa 15ℓ/min |
NET-40I | 40kW | 1~100kHz | 3Φ200V 48kVA | 0.2MPa 20ℓ/min |
NET-50I | 50kW | 1~100kHz | 3Φ200V 60kVA | 0.2MPa 20ℓ/min |
NET-60I | 60kW | 1~100kHz | 3Φ200V 72kVA | 0.2MPa 20ℓ/min |
NET-70I | 70kW | 1~100kHz | 3Φ200V 84kVA | 0.2MPa 25ℓ/min |
NET-80I | 80kW | 1~100kHz | 3Φ200V 96kVA | 0.2MPa 30ℓ/min |
NET-100I | 100kW | 1~100kHz | 3Φ200V 120kVA | 0.2MPa 40ℓ/min |
NET-120I | 120kW | 1~100kHz | 3Φ200V 144kVA | 0.2MPa 40ℓ/min |
NET-140I | 140kW | 1~100kHz | 3Φ200V 168kVA | 0.2MPa 45ℓ/min |
NET-150I | 150kW | 1~50kHz | 3Φ400V 180kVA | 0.2MPa 35ℓ/min |
NET-200I | 200kW | 1~50kHz | 3Φ400V 240kVA | 0.2MPa 40ℓ/min |
NET-300I | 300kW | 1~50kHz | 3Φ400V 360kVA | 0.2MPa 35ℓ/min |